「君たちはどう生きるか」映画は原作と別物?関係ないと言われる理由と違い5点

スタジオジブリ宮﨑駿監督の映画『君たちはどう生きるか』。

タイトルを見て「あの名作の映画化だ!」と期待したものの、実際に見終わって「内容がぜんぜん違う……」「原作とは関係ない?」と戸惑った方も多いのではないでしょうか。

実は吉野源三郎氏の同名小説は「タイトル」に使用されただけで、ストーリーは別物です。

この記事では、宮崎駿監督がインスピレーションを受けたとされる本当の元ネタと、筆者が感じた5つの違いを解説します。

あわせて、物語の根底で繋がっている意外な共通点についても紐解いていきます。

▶本作に含まれるオマージュ9選をチェック!

※本記事はネタバレが含まれます。

スポンサードリンク

原作が関係ないと言われる3つの理由【君たちはどう生きるか】

小説『君たちはどう生きるか(著:吉野源三郎)』が「関係ない」と噂される理由は以下です。

  • 登場人物の名前・役割・関係性が一致しない
  • ストーリーが別物
  • 公式クレジットがない

小説『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督が小学生の頃に教科書で読んだ作品。この物語が心に残り、タイトルに決定したといいます。


映画『君たちはどう生きるか』のタイトルが、同名小説から取られたと説明されているメディアの映像の画像
出典元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

以上のことで、一見原作と勘違いしやすい同名小説『君たちはどう生きるか』は原作とは別物で、タイトルのみ起用されたという結果になりました。

試し読みはこちらから:君たちはどう生きるか (岩波文庫) Kindle版

スポンサードリンク

本作の元ネタは小説『失われたものたちの本』

映画『君たちはどう生きるか』の元ネタは、小説『失われたものたちの本(原題:The Book of Lost Things)』です。

この作品は、アイルランド出身の作家・ジョン・コナリー氏による2006年の作品で、国際的に高い評価を得ているベストセラーです。日本語訳版が、2021年3月に東京創元社の創元推理文庫より刊行されました。

筆者が実際に読んでみましたが、映画『君たちはどう生きるか』と、小説『失われたものたちの本』の大筋は似ています。
ただし、公式インタビューで「原作」とは言われておらず、エンドロールにもクレジットなし。本作はオリジナル作品だと名言されていることから、「元ネタ(インスピレーション元)」という位置づけとなります。

試し読みはこちらから:失われたものたちの本 (創元推理文庫) Kindle版

映画『君たちはどう生きるか』と元ネタの違い5選!

ここからは、実際に筆者が感じた、本作と元ネタ『失われたものたちの本』の違いを解説します。

  1. 原作は「本(物語)」の存在感がでかい
  2. 原作のほうがリアルでシリアス
  3. 原作には「7人のお婆ちゃん」は登場しない
  4. 敵(ヴィラン)の正体
  5. 異世界の正体
スポンサードリンク

1.「本(物語)」の存在感がでかい!

ひとつめの違いは、「本」「物語」の存在感の違いです。

  • 元ネタ:原作小説では、「物語(本)」が影の主人公といっても過言ではありません。
  • ジブリ映画:本のエピソードは多くを締めていません。

個人的に、最も大きく感じられた違いです。

元ネタは小説なので、本に対する想いが人一倍なのでしょう。「物語、童話」への愛がビシビシ伝わってきます。

2.作品のトーンと舞台

元ネタの方が、全体的にリアル寄りでシリアスです。映画は内容を日本仕様にローカライズされています。

  • ジブリ映画:太平洋戦争下(1944年)、日本の東京。
  • 元ネタ:第二次世界大戦下(1939年9月1日~1945年9月2日)、イギリスのロンドン。

3.原作には「7人のお婆ちゃん」は登場しない

おばあちゃんたちが缶詰をもらって盛り上がっている姿

ジブリ映画で強烈なインパクトを残す7人のお婆ちゃんたちは、元ネタには登場しません。

  • ジブリ映画:7人のおばあちゃんが登場します。(オリジナルキャラクター)
  • 元ネタ:異世界の住人として7人の小人が登場します。

また、オマージュの対象が、ジブリ映画は過去のジブリ作品、グリム童話(または元ネタ)に対し、元ネタはグリム童話となっています。

宮崎駿監督は、映画『君たちはどう生きるか』について、「ジブリを愛してくれた人たちへの感謝の気持ち」だと述べています。ジブリファンにとって嬉しいサプライズですね。

▶本作のおばあちゃん人形とキリコの驚きの正体とは?

スポンサードリンク

4.敵の正体

敵キャラクターにも違いが見られます。

  • 元ネタ:アオサギは、いうなれば、原作に登場する異世界のキャラクターたちの役割が複合したようなキャラに仕上がっています。異世界では鳥の住人が目立ちます。
  • 原作小説:それぞれの役割がハッキリしており、ヴィランも明確です。異世界では狼の住人が目立ちます。
気になるブログ

映画『君たちはどう生きるか』に登場する“墓の主の正体”とは?支離滅裂に見える世界の理由や、眞人・夏子の心理、物語の背景を…

5.異世界の正体について

「異世界の正体」に違いが見られます。

夜空の下で、キリ子さんと主人公がわらわらに囲まれているワンシーン
  • ジブリ映画:異世界は「過去(いくつもの世界に続くドア)」「死後・生前」「世界を創る場所」などあらゆる情報が集まる場所。
  • 元ネタ:異世界は「想像力」による世界。

いずれも、少年の精神的な成長に一役買う世界であることは共通しています。

映画「君たちはどう生きるか」と原作の共通点は?

ストーリーの大まかな筋書きは一致しています。

いずれも「君たちはどう生きるか」と問いかけられているような作品に仕上がっています。

「ジブリ映画観たけど、全体的に意味が分からなかった!」という方は、原作小説『失われたものたちの本』を読んでみると理解が深まって、より楽しむことができるはずです。

>>失われたものたちの本(創元推理文庫) Kindle版

スポンサードリンク

まとめ:映画『君たちはどう生きるか』原作・元ネタについて

この記事では、『君たちはどう生きるか』について「原作と関係ない」と言われる理由と、その真相について見ていきました。

同名小説は映画のタイトルと一致しているのみで、元ネタは『失われたものたちの本』といわれています。大筋は同じなものの、それぞれのキャラクター性、異世界の世界観、また家族の関係性についても違いが見られました。

いずれも「生きるってなんだろう?」という大きな問いを投げかけてくれる、心に残る名作です。
気になった方は、ぜひ原作も映画も両方チェックして、自分なりの「どう生きるか」を考えてみてくださいね!

スポンサーリンク
スポンサーリンク