『きみの瞳が問いかけている』なぜ刺された?塁の後遺症や2年後の謎【徹底考察】

「なぜ、塁は地下格闘技の試合に勝ったのに刺されたんだろう?」
「塁の後遺症ってなに?」
「2年後(結末)が意味するものとは?」

本記事では、映画『きみの瞳が問いかけている』鑑賞後に残る疑問点について独自の視点で考察し、分かりやすく解説しています。

※本記事には映画『きみの瞳が問いかけている』のネタバレが含まれます。未視聴の方はご注意ください。

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映画『きみの瞳が問いかけている』主要人物キャスト

  • 柏木 明香里/吉高 由里子:事故で視力を失い、現在はコールセンターで働いている女性です。
  • 篠崎 塁/横浜 流星:元キックボクシング選手で、孤独を抱える男性です。
  • 佐久間 恭介/町田 啓太:半グレ集団・ウロボロスのリーダーで、塁の幼なじみの男性です。
  • 金井/般若:半グレ集団・極龍連合のリーダーの男性です。

映画『きみの瞳が問いかけている』で塁はなぜ刺されたのか?【考察】

塁がなぜ刺されたのかといえば、「ウロボロスに恨みを買っていたから」・「地下格闘技で、塁が勝ってしまったから」と考えます。

  1. 類の地下格闘技の試合に「八百長」が仕込まれていたから
  2. 裏切り者の塁は、どちらみちウロボロスのルールにより「制裁」される予定だったから

理由1.塁の試合が八百長だったから

塁がリング上で試合をしているところ
出典元:映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイト

なぜ塁が刺されたのかというと、佐久間は「意図的に大穴で儲けられる仕組みを作っていた」のに、類が勝ってしまったからからです(八百長)。


以下は、塁の試合前に交わされた、半グレ集団「ウロボロス」と「極龍連合」のリーダー同士のやり取りです。

「いいのか?」(金井)

「お近づきの印に……てことで。今どき抗争なんて流行んないでしょ。はみだしもん同士仲良くやりましょうよ」(佐久間)

引用元:映画『きみの瞳が問いかけている』

佐久間が、圧倒的な強さを誇る塁を地下格闘技に引っ張ってきた真の理由は、八百長のためでした。

体格の良い対戦相手にドーピングするなりして、ほとんどの観客が“アントニオの勝ち”と予想するのを裏切る作戦だったのです。

しかし、結果的には佐久間の狙い通りにはいきませんでした。

こういった八百長は実際の地下格闘技でも噂されている手法で、ほかには“わざと負ける”場合もあると言われています。

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2.いずれにせよ制裁される予定だったから「裏切者には制裁を」

塁と佐久間が廊下ですれ違うところ
出典元:映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイト

元々、「ウロボロス」のルールにより、塁は裏切者として、手駒にされた上で始末される運命だったのでしょう。

「対戦相手が気絶するか死ぬまで続く」という極限のルールの試合で、体格の良い海外の選手と戦って負けた場合、類が危険な状態になるのは目に見えています。

最終的に、恥を欠かされた佐久間は怒りに震えますが、塁の強さを目の当たりにしたため、

卑怯な方法で、塁に制裁を与えたのだと考えられます。

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塁の後遺症とは

塁の後遺症は、心身両方からくるものでした。「片足の不自由」「言葉が出なくなる症状」です。

1.片足に後遺症が残った理由とは

「片足の不自由」という後遺症が残った理由は、交通事故もしくは背中を刺されたことによるものと推測できます。

交通事故により片足の神経や背骨が傷つけられると、脳とつながっている神経の束である脊髄も傷つきます。その結果、手足が動かなくなってしまうことがあるのです。

2.声がでなくなった理由とは

塁の「声が出なくなる後遺症」は、ストレス性によるものだと思われます。

ラストシーンで、明香里と心が通じたとたんに声が出るようになる描写から、精神的な後遺症である可能性が高いといえるでしょう。

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2年後の結末の意味は?【考察】

2年後(ラストシーン)の結末には、「帰る場所」というテーマが詰まっています。

1.塁が海に向かっていたのは、そこが帰る場所だったから

なぜ塁が海に向かって進んでいたのかというと、「入水」しようとしたからと考えられます。

類の母親は、幼い塁を連れて無理心中をしようとして亡くなりました。

ひとりぼっちの塁は、自分を待ってくれている人は母親だけだと感じたはずです。そのため、海へ入水したのでしょう。

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2.ラストシーンで声出ない症状が治った理由:明香里がくれた温もり

塁の声出ない症状が治った理由は、「明香里の存在に癒されたから」だと考えます。

少なくとも、塁がお店でお会計を済ませたときには、声が出ない症状が続いています。

しかし、ラストシーンで明香里が自分を見つけてくれたことにより、声が出るようになりました。

塁と明香里が見つめ合っている姿
出典元:映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイト

塁と明香里が見つめ合ったとき、帰る場所は、互いの元にあることを彼らの瞳が問いかけていたはずです。

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塁の本名は?

塁の本名は「アントニオ・篠崎塁」です。


先述したように、「篠崎塁」という人間を葬るメリットがあったために、2年後には「高橋雄大」という偽名を名乗っていました。「高橋」という人口の多い苗字もひとつのヒントになっています。

仮に、もしシスターに改名してもらったのなら、シスターの元に明香里が訪ねてきたときに教えているはず。

シスターと塁が話している姿
出典元:映画『きみの瞳が問いかけている』公式サイト

また、バスで明香里に名前を聞かれたときには、塁が「恥ずかしい」と答えているのも、「アントニオ」がユニークだからです。

さらに、2年後のラストシーンの大事なワンシーンで明香里が「塁」と呼び掛けていました。

これらのことから、「アントニオ・篠崎塁」が本名だということが読み取れます。

なぜ2年後の塁の名前が変わっていたの?【考察】

2年後に、塁の名前が変わっていた理由は「自分の身を護るため」と考えられます。

塁の背中を2回刺す念入りさや、弁護士の男が命乞いしていたことから「ウロボロスのルールにおける制裁=死」だと推測できます。

一方的に殺意を向けられ、またいつ襲われてもおかしくない日常に、累に相当なストレスを抱えていたはず。

だから彼は「篠崎塁」という人間を葬り、他人に成りすます必要がありました。

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映画『きみの瞳が問いかけている』を観た筆者の感想:塁の気まずい姿が愛しい

心を病んでいる累と明香里の出会い。
彼女のピュアな明るさに塁が救われていく過程が丁寧に描かれていて心に染みます。

とくに、向かうところ敵なしだった塁が、弱って自分ひとりでは何もできないとき、声を出そうとしたり、助けを求めたりしているような仕草にグッときました。

“こんな姿、知られたくない”と手の甲を隠しつつも、いざ、明香里が去っていくと涙が溢れてしまう。

“別れる前に写真をとりあげなければ気づいてもらえたかもしれない”と、そんなことを後悔しているんじゃないか……などと勝手に想像しました。

なかでも、結婚を見据えた恋人として過ごしてきたのに、他人としてマッサージのサービスを受けるのは切ないシーンです。

真相を知る唯一の鍵である「声」を失ったという絶望の淵から、ペットや思い出を通じてふたたび繋がる展開が鮮やかでした。

ふたりの演技が自然でとても良かったです。

  • 気まずいシーン:なし
  • グロイシーン:なし
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まとめ『きみの瞳が問いかけている』塁が刺された理由と塁の後遺症について

本記事では映画『きみの瞳が問いかけている』について徹底考察・解説しました。

  • 塁が刺された理由とは:八百長の試合に勝ってしまったから。元々殺される予定だったから
  • 塁の後遺症とは:交通事故や背中を刺されたことによる足の不自由と、精神的ストレスによる声が出ない症状。
  • 2年後(ラストシーン)の結末の意味とは:塁が海で入水自殺を計ろうとしていたところ、明香里に見つけてもらった。心の傷が癒され失語症が治った。

また違った見方もあるかもしれませんが、ひとつの考察としてお楽しみいただければ幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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