映画『万引き家族』について。
4番さんの障害の正体や、衝撃的なラストシーンのその後について、多くの謎が残されたままとなっています。
- 「4番さん(JKリフレの店で亜紀を指名し続けた客)が抱える障害は?」
- 「ラストでりんは本当に飛び降りたのか?」
- 「亜紀のその後はどうなった?」
本記事では、映画内の伏線やノベライズ版の記述を根拠に、これら3つの謎を徹底考察します。
4番さん(池松 壮亮)の障害と正体【万引き家族】
4番さん(演:池松 壮亮)が抱えていた障害について、複数のエピソードから、発話障害の一つである「吃音(きつおん)」であると推測されます。(劇中で明確には語られていません)
- 障害の根拠となる描写: 4番さんが自分の名前を言おうとしても喉に詰まり、言葉が全く出てこない様子が描かれています。
- 心の傷: うまく話せないもどかしさから、自分の頭を拳で激しく殴る「自傷行為」の描写から、4番さんは精神的な障害を抱えていることを物語っています。
声が出ない4番さんは、亜紀の「膝枕」という言葉のいらないコミュニケーションで、孤独な魂を静かに寄せ合っていました。
4番さんが抱える障害ひとつに「吃音」があったと考えられます。
最後、りん(じゅり)は飛び降りたのか

りんは、その後飛び降りた可能性が高いです。
ラストシーンで、実母の元に戻されたりん(演:佐々木 みゆ)が飛び降りようとしたのは、視線の先に誰かを見つけたからです。これは公式ノベライズで説明されています。
- 脱出へのヒント:りんの足元には多くのガラクタがあり、「りんがその気になれば、逃げ出すことは可能」というヒントとなっています。
- りんが再び虐待されている可能性:りんが再び外廊下に締め出されていること、りんの母親の頬に、夫によってつけられたであろう傷があり、そのストレスの矛先がりんに向けられていると思われます。
りんは、正しい愛情の形・外に優しい世界があることを学んだため、意識が外に向いているはずです。
以上のことから、その後、りんが家族の誰かの手をかりつつ、外廊下から飛び降りる(逃げる)可能性は高いと推測されます。
その後、亜紀(松岡 茉優)はどうなった?家出したの?

亜紀(演:松岡 茉優)のその後について、作中で明確な描写はありません。
しかし、物語の断片を繋ぎ合わせると、彼女は「再び家出をした」可能性が高いと推測されます。
- 亜紀が家出をしたとされる根拠:ラストシーンで元の家に戻ってきた亜紀。彼女の”鞄”が変わっているのは、いったん保護者の元へ預けられたあとに訪れたことを物語っています。
- 親からの拒絶によるストレス:警察から「両親が亜紀の居場所を知っており、おばあちゃんにお金を渡していた」と聞かされた亜紀。それは、親が自分を「お金を払ってでも厄介払いしたい存在」という残酷な宣言でした。
亜紀はすでに自立できる年齢です。
信代たちが殺人犯だったと知った後でも万引き家族の元へ戻ってきた彼女なら、今後は自ら割の良い仕事を選び、生活を続けていくことが可能です。
りんの様子を見に行ったのは亜紀?
万引き家族のその後について、作中で唯一語られていない「亜紀」。もしかしたら、りんの様子を見に行ったのが亜紀だったのかもしれません。
家出した亜紀が居場所を求めてさまよう中で、りんの様子を見に行くのは自然な行動に思えます。
その先で孤独なりんを見つけたとしたら、亜紀は「なんとかしてあげたい」と考えるはず。
彼女が信代の生き方を模倣する可能性は、決してゼロではなさそうです。
結局、万引き家族とはなんだったのか
“万引き家族とはなんだったのか?”
――それは、散らかりきった部屋が答えなのではないでしょうか。
部屋は心情を映し出すといいます。
6人の精神は不安定。心からの安心は得られなかったけれど、慰めは確かにそこにありました。だからこそ、アキは戻ってきたのでしょう。
彼らの関係は、親子ほど歳が離れていたというだけで、友人関係に近かったのだろうと思います。
きっと、社会に居場所がない者同士の、心の拠り所だったのだろうと思います。
まとめ:【万引き家族】4番さんの障害・りんの飛び降りについての考察
今回は、映画『万引き家族』に隠された「謎」とその後の考察についてお届けしました。
- 4番さんの障害は?:自分の名前を言おうとしても喉に詰まってしまう描写から、発話障害の一つである「吃音症」と考えられます。
- 最後、りんは飛び降りたのか?:ノベライズの記述から、あの瞬間に飛び降りた(脱出した)可能性が高いといえます。
- 亜紀のその後は?:あらゆる状況から二度目の家出をしたと考えられ、その後、りんの様子を見に行った可能性が浮上しています。
事件によって柴田家の人々はそれぞれ別々の道を歩むことになりますが、血の繋がりを超えて互いを大切に思っていたことは間違いありません。
どのような形であれ、万引き家族が過ごした時間や抱いた温もりは、過酷な現実を生き抜くための「確かな光」として、これからも彼らの心の中に残り続けるはずです。