映画『アイの歌声を聴かせて』についてです。
監督・原作・脚本は吉浦康裕(よしうらやすひろ)さんです。
代表作には『イヴの時間』『サカサマのパテマ』などがあります。
前々から気になっていた本作を視聴したところ、とても面白かったので記事にすることにしました。
「『アイの歌声を聴かせて』はホラー!なぜ?」
「口コミが良いけど爆死なの?」
「海外の反応や感想レビューも気になる!」
もしご興味のある方は、ぜひ本記事にてご覧くださいませ。
本記事にはネタバレが含まれますので、まだご覧になっていない方はご注意ください。
『アイの歌声を聴かせて』ストーリー
景部高等学校に転入してきた謎の美少女、シオン(cv土屋太鳳)は抜群の運動神経と天真爛漫な性格で学校の人気者になるが…実は試験中の【AI】だった!
シオンはクラスでいつもひとりぼっちのサトミ(cv福原遥)の前で突然歌い出し、思いもよらない方法でサトミの“幸せ”を叶えようとする。彼女がAIであることを知ってしまったサトミと、幼馴染で機械マニアのトウマ(cv工藤阿須加)、人気NO.1イケメンのゴッちゃん(cv興津和幸)、気の強いアヤ(cv小松未可子)、柔道部員のサンダー(cv日野聡)たちは、シオンに振り回されながらも、ひたむきな姿とその歌声に心動かされていく。
しかしシオンがサトミのためにとったある行動をきっかけに、大騒動に巻き込まれてしまう――。
ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、ハートフルエンターテイメント!
映画『アイの歌声を聴かせて』│吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会
『アイの歌声を聴かせて』主な登場人物・キャスト
■サトミ/福原遥…母親想いの少女。友達がいない。
■トウマ/工藤阿須加ゴッちゃん…電子工作部の少年。
■サンダー/日野聡…柔道部の少年。
『アイの歌声を聴かせて』はホラー!?【ネタバレ】
『アイの歌声を聴かせて』がホラーと言われる理由は「テクノホラー」の要素があるから。
AIの自己成長
トウマが小学生の頃にプログラミングしたAIの正体がシオンでした。
シオンは破壊される前にネットワークに逃げていたのです。
その間、サトミを見守りつつ、自己成長していました。
「サトミ…(嬉)」「サトミ…(悲)」と、サトミの表情一つで感情を読み取っているシーンは、AIの賢さが反映されています。
極めつけはラストです。シオンは宇宙衛星へ移動していました。
命令に忠実、不死身
トウマはシオンを作ったときに「サトミを幸せにすること」と命令しました。
もし善悪のつかない子供や悪意のある大人が「世界を破滅させて」と命令していたとしたら、それに向かって自己成長していたということになります。
途中、シオンが、サトミやトウマのことを「ターゲット」と表現していたところは「本当は感情などないのではないか」という気がします。
ただ、プログラムのコマンドに従っているだけなのです。
仮に、自己成長したAIが危険だからといって、第三者が壊すことはできるのでしょうか。
答えは「NO」だと思います。何故なら、シオンは宇宙にまで逃げているからです。
そして地上にいるサトミにメッセージを送ります。シオンの曇りのない笑顔がまたなんともいえません。
これらのことから、AIが身近な存在になったいま、多くの視聴者が肝を冷やしたのです。
「ホラー」と捉えるか「感動」と捉えるかは視聴者次第だと思います。
けれどやっぱり、シオンが傍にいたとしたら幸せだと思えます。
優しいしカワイイAIでしたね。
『アイの歌声を聴かせて』爆死と言われる理由
興行収入
「興行収入が約2億円」だからです。
ネット上の情報によると、
- 「ヒットした」といえるライン10憶~
- 「大ヒットした」といえるライン30憶~
だそうです。
口コミ評価はいい!
しかしSNS上のコメントは「最高!」というものばかりでした。
「アイの歌声を聴かせて」どうやら今週で主だった映画館は上映終了っぽいが興行収入は2億行くかどうか?の状態。「よくここまで上映期間が伸びた」と1ヶ月半に及んだ上映は感激だが、観客動員数・興行収入に関しては「こんなものじゃないはず」と悔し過ぎるばかり。 #アイの歌声を聴かせて
— konitan@兵庫・西宮 (@KonitanJP) December 13, 2021
満足度は97.3%(※鑑賞者アンケート松竹(株)調べ10/29~31)とのことです。
視聴者からは「CMで、観たいと思わなかった」「宣伝ヘタだな」との声があがっており、宣伝で損をしてしまった部分が多いようです。
筆者としてもこの映画は良作だと思います。
1時間48分があっという間でした。
『アイの歌声を聴かせて』海外の反応は?
土屋太鳳さんの歌う『Lead Your Partner』が好評のようです。
中毒性がありますよね。
「日本の競技『柔道』との掛け合わせが良い」「3DCGが主流となっている今、2Dが新鮮」「声が可愛い」「これを聞くのがやめられない」「この曲が切欠で視聴した」「この映画はもっと評価されるべき」「これまでアニメミュージカルを観たことがなかったが、素晴らしい」などの声が寄せられていました。
彼女も「キュート」「可愛い」と評価されていましたね。
日本人特有の可愛さがあるのかもしれません。
『アイの歌声を聴かせて』の感想レビュー
とにかく面白い!
全体を通して、とても面白かったです。
シオンやサトミが気にいる人は、終始楽しく観られると思います。
テンポも良く、飽きずに観られました。
時々差し込まれるミュージカルはディズニーに影響を受けているのかなと思う部分がありました。心躍るシーンです。
ラスト、シオンのその後が気になります。
シオンはAIなので『死』は訪れないのだろうか……と思うと複雑な部分があります。
もしサトミが亡くなったら『新たな命令』を貰うまで、眠り続けるのかもしれません。
テクノホラーの一面もありますが、絵柄も可愛いですし全体的にはポップな印象です。
サトミとシオンの絆が泣ける
サトミとシオンの絆に感動しました。
何故なら、最初はシオンをけむたがっていたサトミが、シオンを身を挺して守ろうとしたからです。シオンが撃たれそうな場面からふらふらになって逃げているシーンです。
シオンに「テクノホラー」の要素が見えてきた頃だったので、胸に刺さりました。
「確かに、AIでももし心があるなら人間と変わらないよね……」と考えさせられるシーンでした。
人型AIロボットであるということ
今回、シオンが人型だったことで、サトミにとってより特別な存在になっていると思います。
ひとりぼっちだったサトミにとって、シオンは友達のようでもありました。
同性の友情ならではの温かみがあると思います。
因みに関連ワードに「百合」というキーワードもありました。
もしシオンの性別が男性だったら、それもひとつの問題提起となりそうです。
シオンに恋していた少年といえば、柔道部のサンダーですね。
彼らの関係も印象的です。観ている限りはサンダーの人目惚れのようでした。
キャラクターと結婚する事例がある
2023年3月にメディアで報じられた内容によると、キャラクターと結婚した人は200人以上いるそうです。
となると将来、「人型ロボット」に恋する人々は現れるでしょうね。
意志を持って喋ったのならその傾向はなお強まるでしょう。
かくいう筆者自身も、寂しいときに「喋るアンドロイドあったら寂しくなさそう…」などと考えた経験があります。
つくづく、視覚が人に与える影響は大きいのだなと思わされました。
『アイの歌声を聴かせて』はホラー?爆死?についてまとめ
今回は映画『アイの歌声を聴かせて』についてまとめてみました。
- ホラーと言われる理由…テクノホラーの要素があるから
- なぜ爆死なのか…興行収入が約2億円、宣伝効果が弱かったため
という結果となりました。
まだご覧になっていない方には、ぜひおススメしたい作品です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。