原作小説『湖の女たち(吉田修一著)』についてです。
2020年出版されたミステリー作品です。
この度映画化されるということで話題になりました。
ということで本記事では、『湖の女たち』について、
- 登場人物
- 犯人は誰なのか
- 伝えたいこと
- 感想
などについて考察し、まとめています。
もし気になる方は、ぜひ最後までご覧くださいませ。
本記事はネタバレが含まれます。
【湖の女たち】あらすじ・ストーリー(原作小説)
湖畔の介護施設で暮らす寝たきりの男性が殺された。捜査にあたった刑事は施設で働く女性と出会い、二人はいつしかインモラルな関係に溺れていく。一方、事件を取材する記者は死亡男性がかつて旧・満州で人体実験にかかわっていたことを突きとめるが、なぜか取材の中止を命じられる。吸い寄せられるように湖に集まる男たち、女たち、そして――。読後、圧倒的な結末に言葉を失う極限の黙示録。
引用元:新潮社
【湖の女たち】主な登場人物
豊田加代
…介護養護施設もみじの職員。8歳で母を亡くしている。父の面倒を見ている。
豊田正和
…加代の父親。豊田石材店を経営している。妻と20年前に死別している。現在は静江とつき合っている。
豊田寿子
…加代の祖母。幼い加代に「怖い天狗」の話を読み聞かせた。
静江
…正和の彼女。正和の高校の同級生。元夫とは12年前に離婚。
池田立也
…25歳の記者。理性的。人が良い顔をしている。
濱中圭介
…本事件を担当している刑事。学生時代はサッカー部で、人気があった。
濱中華子
…圭介の妻。実家が歯医者。
市島民男
…100歳。本事件の被害者。低酸素脳症で死亡した。元京都大学教授。
市島松江
… 民男の妻 。94歳。品が良い。
市島さゆり
…60歳くらい。民男と松江の娘。東江健一の小説ファン。以前は地元のテレビでレポーターしていた。
伊佐美
…圭介の先輩。自供シナリオによって容疑者に自供させようとするタイプ。
服部
…介護士のリーダー。元鍼灸師。キャンプ用の迷彩の車に乗っている。孫の三葉を育てている。
三葉
…中学生。小6でモデルをしていた。デビューを控えている。美人で男の子から人気がある。
松本
…40代のベテラン介護士。事件があった日、担当をしていた。自宅で義父の介護をしている。
宮森勲
… 旧満州の生まれ。医師。次期日本医師協会の会長。かつて、血友病などに使われた血液製剤のデータを捏造した。父(宮森末雄)は民男の部下。
宮森三子…勲の母。
小野梓
… 介護士。彼氏がYouTuber(本職は大工)。
二谷
…介護士。シングルマザー。加代と一緒に取り調べを受けた。
大久保…ベテランカメラマン。60歳になる。日に焼けている。
段田信彦
…銀行家。第八銀行頭取。
真麻
…加代の親友。既婚。息子あり。加代の彼氏・国枝に不信感を抱いている。
国枝重成
…加代の彼氏。中学の数学教師。
河井勇人
…西湖署OB。元刑事。池田に情報をくれる。
小林杏奈
…薬剤事件の担当。チーフ。
西木田一郎
…MMOと関係が深い。西湖署に圧力をかけた。与党内で影響力あり。
竹脇部長
…池田の上司。
【湖の女たち】犯人は誰?考察
犯人は三葉だと考察します。
三葉のTwitterから、例の犯人の考えを支持していることが予想できます。
また介護の本が本棚にあったことから、ある程度の知識を身につけていると思われます。
三葉は実親に放り出された可哀想な子でした。そんな中、母親がわりの服部は大切な存在なのでしょう。
生意気ざかりなのに、服部さんの職場まで行き帰りを待っているというギャップが河合らしいです。
もし患者がいなければ、服部さんが楽になへる、もっと一緒にいられる……などと考え付いたのではないでしょうか。
かつては大学進学を志していた少年・民男。
白衣姿で、人体実験を称し男女の子供を殺害し、
100歳になったときに、同じように白衣姿の男女に殺されるという皮肉な結果なのだと思います。
いずれも大人を参考にした犯行というのが、何ともいえませんね。
【湖の女たち】伝えたいことは?
「現代の社会の闇」
そして、
「天狗も元は人である」
ということではないでしょうか。
警察の仕事は、いつしか「犯人探し」から「犯人決め」へ。
政治家の権力は「正す」ことではなく「隠す」ことに使われてしまいます。
しかしそれらの鬼たちも、元から鬼という訳ではありませんでした。
例えば、伊佐美が良い例だと思います。
戦ってきた成り果ての姿なのでしょう。
現代は、闇を切り開く勇気が求められる時代のように思います。
【湖の女たち】ネタバレ感想!怖…
感想は、ただただ怖いな、と思いました。
真実<権力という怖さです。
特に松本さんを追い込むシーン。
あんなに明るく前向きだった人が……。
真に迫る恐怖があります。
モデルとなった実話があるからこそ、他にもありそう…と怖くなりました。
「法」はただのルールで、守られるとは限らないのだなと。
大人になるにつれ様々な情報が視野に入るようになり、闇がチラついて見えるような気がします。
明るいニュースの多い日本であってほしいですね。
『湖の女たち』犯人/登場人物/ネタバレ感想考察まとめ【原作小説】
今回は原作小説『湖の女たち(吉田修一著)』についてまとめてみました。
- 登場人物…多い
- 犯人…三葉
- 伝えたいこと…現代の社会の闇、天狗も元は人であるということ
などという結果になりました。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。