小説『推しの殺人』についてです。
2024年、宝島社文庫第22回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した作品です。
著者は遠藤かたる(えんどうかたる)さんで、本作が処女作です。
『ライブは死体を埋めてから!』という衝撃的なキャッチコピーにそそられ、手に取ってみました。
面白かったので、記事にしてご紹介していきたいと思います。
【推しの殺人】あらすじ・ストーリー
大阪で活動する三人組女性地下アイドル「ベイビー★スターライト」は、様々な問題を抱えて危機的な状況にあった。尊大な事務所社長、グループ内での人気格差、恋人から暴力を受けているセンター……そのようななかで、“ベビスタ”はさらに大きな問題に見舞われる。メンバーのひとりが事務所で人を殺してしまったのだ。彼女の罪を隠蔽するため、三人は死体を山中に埋めることを決意して――。
引用元:宝島チャンネル│TAKARAJIMASHA
【推しの殺人】改題について
本書『推しの殺人』は、改題されています。
改題後:『推しの殺人』
因みに、ネット上では「改題前のタイトルの方がしっくりくる」という声が多数です。
正直なところ、筆者もそう思いました。
何故なら、このお話は「殺人」そのものよりも「殺人後の苦悩」にフォーカスされているからです。
ただ、「推しの殺人」の方がキャッチ―で内容がすぐに想像できます。そういった面では手に取りやすい作品となり、多くの人に読まれる結果に結びついたのかなと思います。
【推しの殺人】ネタバレ感想レビュー
ミステリーというよりは、クライムサスペンス!
本作は、メンバーのうち1人が犯した殺人を全員で隠蔽する物語です。
実際に起こりうるであろうアイドル活動の闇から目を背けず描かれています。
作者さんが地下女性アイドル出身なのではと思うくらい、心情の描写がリアルです。
(調べてみたところ、男性でした。マッチングアプリでのクズ男判定が得意とのことです。洞察力に長けた方なのですね!)
冒頭に殺人が行われ、その後は主人公たちの逃亡劇となります。
そのため、ミステリー要素というよりはクライムの要素が強めといえるでしょう。
主人公と一緒にハラハラできる!
因みに実際に殺人を犯したアイドルがいるのか検索してみたところ、逆にアイドルが殺害されたという事例が出てきます。読了後に不思議と嫌な気持ちにならないのは、こういった現実の事件とのバランスがとれているからのように感じました。
物語のなかでくらい、彼女たちの完全犯罪を応援してもいいのかもしれませんね。
彼女たちは秘密を胸に抱えつつ、アイドルの夢を諦めたくない――その一心で奮闘します。次第に変化するメンバー間の絆にも注目です。
『推しの殺人』は、リアルの中に潜む非日常感を味わえる作品だと思います。
【推しの殺人】感想レビューまとめ
今回は小説『推しの殺人』についてネタバレなしで、感想レビューをまとめてみました。
続きが気になり、2日間で読んでしまいました。
アイドルを追いかけた経験のない筆者でも楽しめたので、推しがいる方にはぜひおススメしたい作品です。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。