映画『オットーという男』は、頑固で偏屈ながらも人情味あふれる主人公を描いた感動作です。
鑑賞後に、
「『オットーという男』は実話ですか?」
「実際にモデルになった人物は存在しますか?」
という疑問の声が多いです。
本記事では、本作が実話に基づいているのかを解説し、モデルとなった人物や原作小説との違いについても詳しくご紹介します。
作品の背景を知りたい方はぜひお役立てくださいませ。
映画『オットーという男』作品情報

作品名 | 『オットーという男』 |
---|---|
公開日 | 2023年3月10日(日本) |
制作国 | アメリカ |
上映時間 | 126分(2時間6分) |
監督 | マーク・フォースター |
主演 | トム・ハンクス |
あらすじ・ストーリー紹介
「こんな世の中、もううんざりだ。」
そんな彼が人知れず抱えていた孤独。
仕事もなくし、最愛の妻にも先立たれたオットーは、妻の後を追って
自らの人生にピリオドを打とうとする。
しかし、向かいの家に引っ越してきた家族に邪魔され、死にたくても死ねない。
それも、一度じゃなく二度、三度も…。
世間知らずだけど、とにかく陽気で人なつっこく、
お節介者のマリソルは厳格なオットーとは真逆な性格。
苦手な車の運転や、小さい娘たちの子守を頼んでくる。
この迷惑一家の出現により
“自ら人生をあきらめようとしていた男”
の人生は一変していく――
引用元:映画『オットーという男』リーフレット
映画『オットーという男 』は実話ですか?
『オットーという男』は、フィクションであり、実話に基づいたものではありません。
映画『オットーという男』は、スウェーデン映画『幸せなひとりぼっち(2015)』のリメイク版です。
「オットー」のモデルとなった人物を、次の項でご紹介します。
▶【考察記事】『オットーという男』の最後・マリソルの大学・伝えたいことは?
主人公「オットー」のモデルとなった人物は実在する!
オットーという男については、実在の人物ふたりがモデルとなっています。

1.父親
まず一人目のモデルは、作者の父親です。
本作は「作者のフレドリック・バックマンが自身の父親をモチーフにした作品」という文句で宣伝されています。
2.オーヴェ
二人目のモデルは、一般人男性「オーヴェ」です。
「オットー」は、原作の作者フレドリック・バックマンさんが「オーヴェ」という人物の記事をもとに、ブログを通して確立させたキャラクター。
具体的な経緯を以下にご紹介します。
- 「オーヴェ」という名の男が、美術館でチケットを買っているときに、公衆の面前で癇癪を起こす。
- 現場にいた同僚が、その様子を記事にする。
- 作家・フレドリック・バックマンが、その記事を目にして、イマジネーションを膨らませた。
- 「私はオーヴェという男です」というタイトルのブログを開始。「オーヴェ(オットー)」というキャラクターが確立。
……という流れです。
このことから、本作の主人公・オットーには「実在のオーヴェ」・「父親」の気難しさや愛すべき部分などがエッセンスとして取り込まれているようですね。
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映画と実話の共通点を解説
- 見回りおじさん
- 集合住宅
1.見回りおじさん!
スウェーデンの集合住宅にはオットーのような老人が実在しました。
『幸せなひとりぼっち』のハンネス・ホルム監督によれば、
“ロケハンにいった際に、どの集合住宅にも、オットーのような老人がいて警戒されてしまった”
そうですよ(笑)。
当時、「オットー」に似た男があちらこちらに実在していたのだと思うと、なんだか微笑ましいですね。
▶【考察記事】『オットーという男』の最後・マリソルの大学・伝えたいことは?
2.集合住宅
実際に、スウェーデンでは、「文化住宅」として政府によって建てられた「集合住宅」が多くみられるそうです。
その背景には、1965年から1974年にかけて、住宅不足を解消するための「100万戸プログラム(million programme)」が実施されていたことがありました。
全てのスウェーデン国民が、低価格で高品質の住宅を利用できることを目指す政策です。
その結果、1980年代頃までには住宅不足・住宅の質が向上したそうですよ。
映画『オットーという男 』と原作の違い解説※ネタバレなし
原作は『幸せなひとりぼっち』
原作は、2012年の『幸せなひとりぼっち(原題:En man som heter Ove)』という小説です。
スウェーデンの作家である「フレドリック・バックマン」による渾身のデビュー作です。
「幸せな気持ちになれる・心が温まる」作品として愛され、世界25以上の言語で出版されています。
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映画と原作の違いを解説
違い1:舞台が違う
公開する国(製作国)に合わせて舞台も変更されています。
- 映画『幸せなひとりぼっち』:スウェーデン郊外
- 映画『オットーという男』:アメリカ郊外
違い2:父親のエピソード
『幸せなひとりぼっち』の方が過去の描写が多いと思います。
- 映画『幸せなひとりぼっち』:父親と主人公のエピソードが語られ、作品に大きなインパクトを残している。
- 映画『オットーという男』:父親とのエピソードは語られない。
違い3:登場人物(キャラクター)
ストーリーの大筋は同じですが、登場人物によっては、名前、人種、性別が違ったりすることもあります。
ふたつの作品の違いを比較しながら観賞するのも、ひとつの楽しみ方です。
俳優さんが違うので、それぞれのキャラクターの印象は違って感じられました。
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『オットーという男』の実話性についてまとめ
本記事では映画『オットーという男』についてまとめてみました。
本作には普遍的なテーマやリアルな頑固男のエピソードが取り入れられているため、「本当にあった出来事(実話)なのでは……?」と思わせてくれるリアリティさがありますよね。
調査したところ、
- 実話ですか?……フィクション。
- モデルは実在しますか?……主人公・オットーのモデルが実在する。美術館でチケットを買う際に癇癪を起こした「オーヴェ」という男。
- 原作はありますか?……小説『幸せなひとりぼっち(原題:En man som heter Ove)』。
- 『幸せなひとりぼっち』との違いは何ですか?……舞台やエピソードなど。大筋は変わらない。
という結果になりました。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。