【ある男】ラストの浮気相手の正体ネタバレ│絵画が示す結末と実話まで徹底考察

映画『ある男(2022年)』についてです。

この記事では、

  • 浮気相手の正体・バレるシーンの意味
  • 絵画やバーの男が示す結末の意味
  • 実話性、モデルの有無

について考察・解説しています。

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【ある男】ラストの浮気相手の正体は?

妻のスマホをいじり、浮気を知る夫

城戸 香織(演:真木 よう子)の浮気相手は「遠山 淳一」という名前の人物です。

与えられたのは、その情報のみで、その人となりや人生は全く見えません。

今回「戸籍交換」の調査に関わった城戸 章良(演:妻夫木 聡)からすれば、その名前に意味など感じられなかったのではないでしょうか。

城戸が香織の浮気を流した理由とは?

その理由は、城戸も美涼と良い感じになりかけたからだと考えます。

よって、複雑な心理状態だったはずです。夫の浮気心に先に気づいたのは、妻のほうかもしれないのです。

ある男Xに複数の顔があったように、城戸にも妻にも他の顔があったということなのでしょう。

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ラストシーンを象徴する絵画「複製禁止」の意味

ある男』のラストシーンで登場する絵画は、ルネ・マグリットの『複製禁止(エドワード・ジェームスの肖像)』(1937)です。


ルネ・マグリットの絵画「複製禁止」
画像:ルネ・マグリット『複製禁止』(1937)
「複製禁止」の特徴
  • 鏡には、何故か男(エドワード・ジェームス)の後ろ姿が映っている。
  • 本は正常に映っている。

「この男は、誰だ?」

絵画の解釈として自分を直視できない、あるいは自分の真の姿を見ることの難しさが反映されている、と捉えることができます。


本作の奇妙な事件は、とある男たちの戸籍交換によって引き起こされました。世間を欺くことに成功したのは、本来の顔が見えなかったからです。

この絵画『複製禁止』は、映画『ある男』の象徴となっています。

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最後の男が意味するものとは?

バーにいるある男たち

ラストシーンでバーにいる男・鈴木は、本作『ある男』を世に送るために必要な存在でした。

以下、引用文です。

(前略)差別の問題を自分が差別されている立場で書こうとするとうまく書けなかったけれど、友達を心配するという立場からのアプローチであれば、真情と共に主人公のことを考えながら一つの物語を書けるのではないかと思ったんですね。

それで初めて、小説で在日差別を書く際の、自分なりのアプローチが見えてきたんです。

『ある男』では、城戸という在日3世の男を主人公にしています。しかし、いきなり彼の内面に自分自身が飛び込んでいって、僕が彼になりきって書くのではなく、序章で僕とおぼしき作家が登場して、城戸と仲のいい友達になります。

そして、作家がその友人について書くという設定で物語を始めることにしました。そうすると、なかなか超えられなかった壁を一つ越えて、物語を書き始めることができました。

引用元:平野啓一郎公式サイト(https://k-hirano.com/articles/ningenron)

かつて、原作者の平野啓一郎氏に在日の友達がいたそうです。
クラスに在日の子が複数いて、差別用語がタブーの環境のなかで育ったといいます。時がたつにつれ、SNSや街頭でのヘイトスピーチが目につくようになり、胸を痛めました。

その後も様々な体験を通じ、「在日差別の問題を日本の差別の問題として」書かなければならないという使命感を抱くようになったといいます。一方、重たいテーマのため、アプローチに迷ったそう。

つまり、バーにいる城戸の聞き手の存在が、ワンクッションの役目を果たしていたのです。

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【ある男】実話?モデルになった場所や人物

映画『ある男』は実話ではありません。
差別や偏見などの社会問題を1つのテーマをとしたフィクション作品です。

一方、モデルは一部実在しています。

  • 文房具店
  • 林業の会社
  • 林業の会社の社長
  • 戸籍ブローカー・小見浦憲男

そのほかの中心人物たちにおいては、平野啓一郎さんの“小中学校の同級生の友人(在日朝鮮人)・インタビュー・書物”を参考に、イマジネーションを膨らませたとのことです。

これらのことから、映画『ある男』は実話ではないが、モデルはいるということが言えます。

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まとめ:【ある男】アイデンティティとは何か

本記事では映画『ある男』についてまとめてみました。主に以下3点に絞り考察しました。

  • 浮気相手について
  • ラスト・結末について
  • 実話・モデルについて

人は誰しも、相手や環境によって接し方・性格が変わるものです。

もし、戸籍が変わったり、見知らぬ土地に連れていかれたりしたら、これまでの“自分”を維持したり証明するのは難しいかもしれません。本作は「自己のアイデンティティーとは何か」、考えさせられる映画です。

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