『流浪の月』についてです。
凪良ゆうさんの小説で、映画化もされています。
本記事では、
- 『流浪の月』の名言
- 「事実と真実は違う」のページ
- ネタバレなし感想
についてご紹介しています。
小説『流浪の月』ストーリー紹介
主人公・更紗(さらさ)は幸せな家庭で育った。
――が、両親が消えたことで世界は一転。
叔母の家に預けられ、従弟の兄からは嫌がらせを受ける日々。
居場所がなく消えてしまいたいと切実に願っていたとき、更紗に声をかけたのは、妙な噂のある青年・文(ふみ)だった。
再び安息の地を手に入れる更紗。しかし警察沙汰になり、その日々も長くは続かなかった。
やがて15年の時を経て、偶然ふたりは出会い……。
『流浪の月』名言7選は?
以下、筆者が選ぶ『流浪の月』の名言7選を感想つきでご紹介いたします。
原作(小説)の名言

ロリコンじゃなくても、生きるのは辛いことだらけだよ。(佐伯文)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
悩みは尽きることがありません……。ポツリとできたニキビを気にする余裕のあるときは平和な証拠なんだろうけど、やっぱり当人からすれば深刻です。
思いやりという余計なフィルターを通されて、ただ笑っただけで『無理をしているのではないか』、ただうつむいただけで『過去のトラウマがあるのではないか』という取扱注意のシールを貼られる。(家内更紗)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
こういった状況に陥りたくないからこそ、被害を隠そうとしてしまうのでしょうね。性被害のほかにも結婚詐欺、仕事をクビになった……など。「強い自分」でありたいのだろうなぁ。
結婚って相手の価値が下がってくシステムなの。でもお金の価値は変わらないよ。(安西佳菜子)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
これは家庭によるでしょうけども、刺さりました。
愛はお金では買えないというけど、やはりお金で買えるものは多いです。
子供が手に入らないお菓子の前で泣くのと同じ。もう大人の私ではなくことができず、ただ立ち尽くしている。(家内更紗)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
老いるにつれ、「大人らしい自分」を演じて不器用になるわたしたち。
年齢を数える習慣のない国では、みんな若々しいそうです。
本物なんてそうそう世の中に転がっていない。だから自分自分が手にしたものを愛と定めて、そこに殉じようと心を決める。それが結婚かもしれない。(家内更紗)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
「幸せになりたい」という言葉の違和感は、この名言に隠れている気がします。
状況は糸でつながれたビーズのネックレスと同じで、一粒だけを取り出してネックレス全体を語ることはできない。始まりがどこで、終わりがどこかも分からない。(家内更紗)
引用元:小説『流浪の月』│凪良ゆう
どこかひとつの選択が変わって入れば、今とは違う未来になっていたはず……。
映画の名言
「人は見たいようにしか見てくれないのかもね」(家内更紗)
引用元:映画『流浪の月』│映画「流浪の月」制作委員会
映画から引用した上記のセリフが「名言!」と話題となりました。
ちなみに、この名言は原作小説にはありません。映画オリジナルのものです。
「事実と真実は違う」のページは?
「事実と真実は違う」のページを検索している方も多かったので、ご紹介いたしました。
小説『流浪の月』本編終了後、吉田大助さんによる解説の1ページ目です。
(媒体によっては、解説の2ページ目の可能性があります)
映画の名言「人は見たいようにしか見てくれない」――に通じるものがありますね。
事実はひとつ、真実はひとつとは限りません。
『流浪の月』原作のネタバレなし感想
重めのテーマではありますが、幸せな気持ちをくれる作品です。
――例え結婚していなくても、子供を産めなくても、それがなんだというのだろう?
「自分らしく安心して過ごせる場所」を探すことが何より大事なのかもしれません。
わたしの感想文で全てを伝えることは難しいですが、苦しい物語の先にふとそのように思わせられたことが……とても心地よいです。
心に残る名場面が多いです。読み手によっては、キャラ文芸としても刺さりそうだと個人的には思いました。
因みに、凪良ゆうさんはBL(ボーイズラブ)でデビューした作家さんだそうですよ。
わたしは『美しい彼』という作品が好きです。クラスのカースト下位・吃音もちのオタク気質の男子と、カースト上位・美しいカリスマ男子の恋愛物語です。
小説『流浪の月』の作品情報
作品名 | 『流浪の月』 |
---|---|
発売日 | 2019/8/30 |
出版社 | 東京創元社 |
ページ数 | 314ページ |
作者 | 凪良ゆう |
『流浪の月』名言集と感想についてまとめ
今回は、映画の原作小説『流浪の月』についてまとめてみました。
もう一度まとめると、
- 名言……筆者が選ぶ名言7選を感想つきでご紹介。
- 映画の名言……「人は見たいようにしか見てくれないのかもね」。
- 「事実と真実は違う」のページ……本編終了後、吉田大助さんによる解説の1ページ目。
という結果となりました。
世間からの評価も高く、自信をもっておすすめできる作品です。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
では、またどこかの作品でお会いしましょう。最後までご覧いただきりありがとうございました。