映画『プラダを着た悪魔』についてです。
本作は2006年に公開された作品です。制作費は3500万ドル、興行収入は約3億2655万ドルを記録した大ヒット映画です。今もなおファンから愛され続けています。
公開当時、筆者は視聴していなかったのですが、
今になって視聴したところ、とても気に入りました。
鑑賞後にパワーを貰えて、働くことに対して前向きになれる作品だと思います。
ということで本記事では、
「『プラダを着た悪魔』が伝えたいことは?」
「アンドレアは、なぜ辞めたの?」
「ミランダが最後に微笑んだ理由は?」
について考察していきたいと思います。
「原作との違い」についてもご紹介していますので、もしご興味のある方はぜひ最後までご覧くださいませ。
【プラダを着た悪魔】ストーリー
舞台は華やかなファッション業界――。働く女性たちへ贈るゴージャス&ユーモラスなサクセスストーリー! 大学を卒業し、ジャーナリストをめざしてNYにやってきたアンディ。オシャレに興味のない彼女が、世界中の女性たちが死ぬほど憧れる仕事を手にしてしまった! それは一流ファッション誌“RUNWAY”のカリスマ編集長ミランダ・プリーストリーのアシスタント。しかし、それは今まで何人もの犠牲者を出してきた恐怖のポストだった!ミランダの要求は、悪魔的にハイレベル。朝から晩まで鳴り続けるケイタイと横暴な命令の数々、その上「センス、ゼロ!!」と酷評され、アンディはこの業界が努力とやる気だけでは闘えないことを思い知らされる。キャリアのためとはいえ、私生活はめちゃめちゃ。カレの誕生日は祝えないし、友達にも愛想をつかされる。この会社で、このままでいいの?私って、本当は何をしたいんだっけ?
引用元:20th Century Studios
【プラダを着た悪魔】主な登場人物/キャスト
■ミランダ・プリーストリー/メリル・ストリープ…ファッション雑誌「Runway」の編集長。カリスマ的存在。
■エミリー・チャールトン/エミリー・ブラント…ミランダの第一秘書。
■ナイジェル/スタンリー・トゥッチ…ファッション雑誌「Runway」のアートディレクター。
■ネイト/エイドリアン・グレニアー…アンドレアの彼氏。
■リリー/トレイシー・トムズ…アンドレアの女友達。
【プラダを着た悪魔】伝えたいことは?
- 華やかな業界の闇(裏側)について
- アイデンティティについて
伝えたいこと2:華やかな業界の闇(裏側)について
華やかな業界の闇(裏側)についてです。
原作者ローレン・ワイズバーガーは、「鬼」のような編集長アナ・ウィンター(ファッション誌「ヴォーグ」)の助手を務めたことがあるとのこと。
『プラダを着た悪魔』は、原作者の経験が元にされているそうです。
編集長アナ・ウィンターがミランダのモデル説については、原作者本人が否定しています。しかし、“ミランダのモデルとなった誰か”は存在していることでしょう。そして「悪魔」に見えたということが分かります。
鬼編集長・ミランダの言動がすごくリアルでしたよね。
外からは華やかな部分しか見えないけれど、このような厳しい環境下で努力し支えている従業員がいてこそなのです。
そういった現実を伝えていると思います。
伝えたいこと1:アイデンティティについて
アイデンティティについてです。
1日は24時間。
人生において何に重きを置くかは、その人次第です。
・見た目や地位に拘らず、身近な人たちと良好な関係であることがイキイキできる。
朱に染まれば赤くなるといいますね。
自分らしくいられる環境にいることは大切です。
ミランダは最後のシーンで携帯を投げ捨てましたが、投げ出さなければその道を辿っていたことになります。その先にアイデンティティを見出す人もいるでしょう。
最後、視聴者がどのような感情を抱いたのか、自分を見つめるきっかけになるように思います。
【プラダを着た悪魔】なぜ辞めたのか考察
- ミランダ(悪魔)に近づいていると自覚したから
- ミランダ(悪魔)にはなりたくないと思ったから
辞めた理由1:ミランダ(悪魔)に近づいていると自覚した
ミランダ(悪魔)に近づいていると自覚したからだと思います。
最初は「家賃のために」「将来のために」仕事をしていたミランダ。
しかし、ミランダに認められようと奮闘しているうちに、本当の自分を見失います。
ミランダに、
「あなたは私と似ているわ」
と言われてアンドレアは動揺し、反論します。
しかし内心では、悪魔に近づいていたことを自覚したのでしょう。
具体例をあげると、
・仲間より自分を優先したこと。(ポジション)
です。
ミランダは、長い間支えてくれた仲間・ナイジェルを、保身のためにを裏切りました。
アンドレアも同じです。エミリーより自分を優先しました。自分のために決断したのです。
アンドレア:でも今は、ミランダ・プリーストリーのアシスタントをしているので。
クリスチャン・トンプソン:冗談だろ。最悪だなそりゃ。まず続かないな。
アンドレア:どうして?
クリスチャン・トンプソン:君は優しくて賢そうだ。その仕事は無理だよ。
引用元:映画『プラダを着た悪魔』│20th Century Studios
こちらの会話は伏線となっていることが分かります。
以前のアンドレアだったら、パリに同行することを目標として努力してきたエミリーを優先していたことでしょう。
辞めた理由2:ミランダ(悪魔)にはなりたくないと思った
ミランダ(悪魔)のようにはなりたくないと思ったからだと思います。
物語の中盤から、アンドレアはミランダに敬意を払うようになり、同情もします。
しかし最後、ふとした一言で我に返ったときに、彼女の目には「プラダを着た悪魔」に見えたのではないでしょうか。
決め手になったのは、ミランダの一言です。
「誰もが望んでいることよ。誰もが憧れているの(ミランダの生き方について)」
引用元:映画『プラダを着た悪魔』│20th Century Studios
しかし、その発言は的外れでした。他人のことは本人にしか分かりません。
「誰もが望む生き方」は、アンドレアには当てはまっていませんでした。
“私はあなたとはちがう”
“あなたのようになりたくて頑張ってきたわけじゃない”
そう感じたアンドレアは、彼女の下で働くことがバカバカしくなり、第一秘書というポジションを投げだしたのです。
【プラダを着た悪魔】最後にミランダが微笑んだ理由を考察
“ダサい服装をしているアンドレアを、認めてしまった”からだと思います。
ミランダは、新しく雇う秘書が、
「すぐ仕事を辞めていく」「(バカで)失望させる」
ことに苛立ちを覚えていました。
その点では確かに同じでしたし、現実となりました。
しかし、アンドレアの場合は違います。その仕事ぶりでミランダを感動させましたし、失望させたのも優秀だったからです。
車内から見えるアンドレアは、出会ったときと同じようなダサい恰好をしていました。
彼女こそ、過去一仕事ができた秘書なのです。
当初のやり取りを思い出し、つい笑みが零れたのだと思います。
【プラダを着た悪魔】原作との違い
『プラダを着た悪魔』の原作との違いを幾つかあげると、
- 原作のミランダはもっとヒステリックで機械的
- 原作のアンドレアはもっとクズ
- 原作のエミリーはもっと優しい
- 原作のナイジェルの出番は多くない
- 事故に遭うのはエミリーではなく、リリー
- 原作では家族や友達の存在も大きい
- エピソードの細部が違う
- 結末が違う
となります。
原作の方が不平不満が多く、映画の方がポジティブな印象です。
【プラダを着た悪魔】伝えたいことは?なぜ辞めた?微笑んだ理由について考察まとめ
今回は映画『プラダを着た悪魔』について考察してみました。
- 『プラダを着た悪魔』が伝えたいことは?…華やかな業界の闇、個々人のアイデンティティについて
- アンドレアはなぜ辞めた?…ミランダ(悪魔)に近づいていると自覚し、そうはなりたくないと思ったから。
- ミランダが最後に微笑んだ理由は?…ファッション誌の鬼編集長ミランダが、アンドレアを認めたから
という結果になりました。
あくまで個人の考察となりますが、ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。