映画『神は見返りを求める(2022)』についてです。
「現代の闇がポップに描かれている」と話題の作品です。
本記事では、ネット上で多く検索されている、
「最後の意味・田母神は死んだ?」
「覆面の正体」
「飛び降りの真相」
「ガーシー」
などについて考察していきたいと思います。
※以下、ネタバレが含まれます。
映画『神は見返りを求める』の作品情報
作品名 | 『神は見返りを求める』 |
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公開日 | 2022年6月24日 |
制作国 | 日本 |
上映時間 | 105分(1時間45分) |
監督・脚本 | 吉田恵輔 |
キャスト | ムロツヨシ、岸井ゆきの、若葉竜也、 吉村界人、淡梨 、栁俊太郎 ほか |
映画『神は見返りを求める』のあらすじ・ストーリー紹介
物語は、イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)と、伸び悩むYouTuberのゆりちゃん(岸井ゆきの)の出会いから始まる。
田母神は見返りを求めずに彼女を支え、撮影や編集を手伝いながら二人は距離を縮めていく。
しかし、ゆりちゃんが少しずつ注目を集めていく中で、ふたりの関係には微妙なズレが生じていく――。
「善意」と「欲望」が交錯する、人間関係の奥深さを描いたブラックコメディ。
【神は見返りを求める】主な登場人物/キャスト
- 田母神尚樹/ムロツヨシ
……見返りを求める男。ひょんなことから優里を手伝うことになる。 - 川合優里/岸井ゆきの
……恩を仇で返す女。底辺YouTuber。
最後、田母神死んだ?
最後、田母神が死んだか否かは明確にされていません。
が、相当危ない状況なのは確かです。三ヶ所くらい刺されてますし、自撮り棒だけで撮影をしていることからも意識レベルが下がっていることが明らかです。
「天気が良いなぁ」
と言っていますが、これは脳の血液量が足りず視界が真っ白になっている可能性があります。
最後死んだかどうか……曖昧にされているのは、“無関心”であることに対する世間への警告かもしれません。
なぜなら、素通りしていく周囲の反応は”リアル”だからです。
覆面の犯人の正体は「少年・迷惑系YouTuber」

(c)「神は見返りを求める」製作委員会
覆面の正体は、まだあどけなさの残る少年で、迷惑系YouTuberです。
少年は柄の悪いヤンキーに躊躇なく銃を乱射し、その様子をカメラに収めていました。迷惑系YouTuberは、“動画の再生数第一”という考えが特徴です。
登場時にゴッティーにサインを求めていたことから、ゴッティー初め、YouTuberの先駆者たちに影響を受けて配信活動を始めたのでしょう。
覆面少年の人格形成に、田母神が一役買ったように思います。
ラスト、ゴッティーが覆面の少年に刺されてしまうのは、皮肉な結果です。
映画『神は見返りを求める』で男が飛び降りた(死んだ)のはなぜ?
男が飛び降りたのは、借金により首が回らなくなっていたからです。
また、お金を貸してくれなかった田母神(ムロツヨシ)への腹いせのような気持ちもあるのかなと思います。
保証人になってくれた田母神に仕返しするのは筋違いですが、過程どうあれ、死を選ぶことになった直接的な理由は「田母神にお金を貸してもらえなかったから」です。
センシティブな内容になってしまいますが、虐めの被害者が、遺書に犯人の名を残して亡くなる(負の遺産を残す)、一種の“復讐”ともとれるアクションなのかなと。
因みに、田母神にお金を断られたあと、ビルから飛び降りた男の手元がアップになった際――なにを握ってるのか気になりませんでしたか?
確認したところ、モッツァレラチーズのトルティーヤでした……。
どういう意味だったのか―神からの天罰

(c)「神は見返りを求める」製作委員会
「俺の誠意返せって!」
「じゃあ、どうやって返せばいいんですか」
「まずは、その顔やめろよ」
引用元:映画『神は見返りを求める』│「神は見返りを求める」製作委員会
ゆりちゃんの最後は、神からの天罰が下ったのだと思いますよ。
神の命令通り「まずはその顔をやめた」のではないでしょうか……。
供養として被り物の小道具「ジェイコブ」(田母神が使用していた)を燃やしたとき、ユリちゃんは、途中で「辞めて!」と言って水をかけて止めます。
ジェイコブは黒焦げで……まるで火傷をしているかのよう。
仮に、ゆりちゃんがジェイコブを燃やし尽くしていたのなら、最後ゆりちゃんは炎に包まれ息をひきとっていたのかな……などという想像にかられます。
どういう意味だったのか―田母神が見返りを受け取った
「見返りに誠意を」と口を酸っぱくして言っていた田母神。最後のユリちゃん(岸井)の「でも、ありがとう」という言葉は、それに値したのでしょう。
映画『神は見返りを求める』とガーシーの関連性は?
本作『神は見返りを求める』の関連ワードとして出てくる「ガーシー」さんですが、本作に関係あるのでしょうか?
ガーシーさんといえば、暴露系YouTuberの代表格。
メディアからの取材に対し、吉田恵輔監督は、“YouTubeの勉強をするときに(どこまでいったら通報されるのか、バンされるのか、など)参考にした”と応じています。
ガーシー(東谷義和)とか、もっとすごいのが出てきてもバンされていないから、“ゴッティー”(映画に登場するYouTuber)のようなのもあり得るのではないかと思います。
引用元:Fan’s voice(https://fansvoice.jp/2022/06/27/kami-mikaeri-yoshida-interview/)
本名:東谷義和(ひがしたによしかず)
1971年生まれ。元暴露系YouTuber。著名人の闇を次々と暴露し、世間を騒がせた。その結果「暴力行為等処罰法違反(常習的脅迫)」「名誉棄損罪」などにより逮捕。
2024年5月、再びYouTube活動を再開したが、開始後2,3分でBANされた。
2024年6月時点では、落語家への転身を宣言している。
2023年、朝日新聞で報じられた内容によれば、当時ガーシーさんは借金が4,5億あり(コロナの影響とギャンブルによるもの)、知人の勧めでYouTubeを始めたという背景があるそう。
YouTube上のキャラクターは、知人によるプロデュースだったのだとか。東京地裁での証言です。
その事実が報道されたのは映画『神は見返りを求める』の公開日より後なのです。こうした背景(借金苦)の一致も興味深いですね。
ガーシーさんも関わった著名人に一種の“見返り”を求めていたといえるのかもしれません。
――暴露系YouTuber・ゴッティーは、ガーシーさんが生んだキャラクターといっても過言ではないのではないでしょうか。
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借金返済のために、意に反して誰かを傷つけなきゃならないとしたら、怖いし胸糞!
人々がお金に支配されてらぁ……!
『神は見返りを求める』で最後に死んだのか?など考察まとめ
本記事では映画『神は見返りを求める』について考察してみました。
- 最後、田母神は死んだのか?……最後に死んだのかどうかは明確にされていない。周囲の人々次第。
- 覆面の正体は?……迷惑系YouTuber。学生。
- 最後の意味は?……天罰・見返りを受け取った。
- なぜ最後動画回した?……田母神なりの優しさ。
- ガーシーとの関連性は?………監督のインタビューで名前があげられている(YouTube勉強する際に、参考にした)。ゴッティーと芸風が同じ(暴露系YouTuber)。
以上の結果となりました。
恩を仇で返すことや、見返りを求める優しさには気をつけたいものですね。
では、またどこかの作品でお会いしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。