映画『クラユカバ』『クラメルカガリ』のタイトルについてです。
2023年、ファンタジア国際映画祭にて長編アニメーション部門「観客賞・金賞」を受賞した『クラユカバ』。
さらにスピンオフ作品『クラメルカガリ』と2作品同時公開され、世間からの注目を集めています。
雰囲気のある映画タイトルですが、意味は分かりませんよね。
気になって調べてみたところ、現時点ではタイトルについての解説は公開されていないようです。
ということで、本記事では、
「『クラユカバ』の意味は?」
「『クラメルカガリ』の意味は?」
について自分なりに考察してみたいと思います。
もしご興味のある方は、ぜひご覧くださいませ。
本記事にネタバレは含まれませんので、ご安心ください。
クラユカバの意味は?(考察)
結論から申しますと、「クラユカバ」の意味は「暗行かば(クラユカバ)」と考察しました。
以下、解説です。
クラの意味
まずは「クラ」についてです。
これに関しては「暗がり」からきているといえるでしょう。
因みに「暗がり=地下領域」の意味です。
ユカバの意味
次に「ユカバ」についてです。
これに関しては「ゆかば(行かば)」と考察しました。
「行かば」は古文で、現在の「行けば(已然形)」と同じ意味です。
理由については、作家・海野十三さんの短編小説に『空ゆかば』というタイトルの作品があったからです。
以下、解説です。
- 『クラユカバ』は、海野十三の影響を受けている。
- 海野十三の小説に『空ゆかば』という小説がある。
1.『クラユカバ』は、海野十三の影響を受けている。
映画『クラメユカバ』について、塚原重義監督は、作家・海野十三さんの作品に影響を受けていることを明かされています。
具体例は以下になります。
- 荘太郎(主人公)の名前…海野十三の推理小説に出てくる「帆村荘六事務所」から一文字取った。
- 荘太郎(主人公)の苗字…「帆村荘六事務所」に勤める助手の名前「大辻」からとった。
2.海野十三の小説に『空ゆかば』という小説がある。
調べてみたところ、『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』という作品のなかに『空ゆかば』という短編小説があることが分かりました。
書籍『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』の内容紹介
列強の仲間入りを目指した近代日本では、大国を仮想敵国にした架空戦記が数多く書かれた。本書は第二次大戦中までに発表された作品から「空中戦」「新兵器」「諜報戦」「さまざまな銃後」の四テーマ別に十一の短篇を厳選。幻の大勝利を描きながら最新科学の必要性を訴えたものから、非常時下で平和を願う気持ちにあふれるものまで多岐多彩にわたる。
中公文庫
簡単にいうと架空戦記です。未来を覗いている作品のようです。
対し、『クラユカバ』はレトロ作品です。過去を覗いている作品です。
戦争といえば「防空壕」「太平洋横断トンネル」などトンネルのイメージもありますよね。
『クラユカバ』でいうと地下鉄(トンネル)のイメージがあります。
まるで、それぞれの異世界が、トンネルで繋がっているかのようなイメージが広がりました。
クラメルカガリの意味は?(考察)
結論から申しますと、「クラメルカガリ」の意味は「暗減る篝火(クラメルカガリ)」と考察しました。
以下、解説です。
クラの意味
「クラメルユカバ」と同じく「クラ」は「暗がり」からきていると仮定します。
因みに「暗がり=廃坑道」の意味です。
メルの意味
「減る」と書いて「メル」と読みます。
「減る(メル)」は、減る、少なくなる、などの意味があります。
カガリの意味
「篝(カガリ)」の意味だと思います。
篝とは、照明や警護のために炊く火のことです。
当然ながら、篝火をともすと暗闇が減りますよね。
つまり、「暗闇が減る篝」という意味です。
因みに「クラメルガカリ」の「篝」は「絵地図」の比喩だといえるでしょう。
何故なら、地図が出来上がると、視界が明るくなるからです。
篝によって廃坑道の先の道を照らすとの同じ役目だといえるでしょう。
その結果、絵地図を作る主人公の女の子の名前が「カガリ(篝)」もしくは「カガリ(輝り)」と名付けられたのだと考察しました。
本記事ではアニメーション映画『クラユカバ』『クラメルカガリ』についての見どころ・感想レビュー(ネタバレあり・なし)を分か…
クラユカバ・クラメルカガリの意味についてまとめ
今回は映画『クラユカバ・クラメルカガリ』の意味について考察してみました。
- クラユカバの意味…暗行かば
- クラメルカガリの意味…暗減る篝
という結果になりました。
あくまで、いちファンとしての考察です。
どんな想いが秘められているのか、タイトルの意味について公式から公開される日を楽しみに待ちたいと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。