「嶌伊織の封筒の中身とは、一体なんだったんだろう?」
「嶌の過去とは?」
「誰が誰に投票したの?」
この記事では、映画『六人の嘘つきな大学生』では説明がなかった部分や分かりづらかった部分について、原作(浅倉秋成著)も参考にしつつ考察・解説しています。
小説版の詳しい考察は『六人の嘘つきな大学生』最後の二重丸の意味は?嶌の好きな人は波多野?で解説しています。
※以下、ネタバレが含まれます。
映画『六人の嘘つきな大学生』主な登場人物/キャスト
- 波多野 祥吾(はたの しょうご)/赤楚 衛二:立教大学 経済学部の就活生。
- 嶌 衣織(しま いおり)/浜辺 美波:早稲大学 社会学部の就活生。
- 九賀 蒼太(くが そうた)/佐野 勇斗:慶応大学 総合政策学部の就活生。
- 袴田 亮(はかまだ りょう)/西垣 匠:法政大学でスポーツと社会の関わりを学ぶ就活生。
- 矢代 つばさ(やしろ つばさ)/山下 美月:明治大学で国際文化を学ぶ就活生。
- 森久保 公彦(もりくぼ きみひこ)/倉 悠貴:一橋大学 社会学部社会学科の就活生。
嶌衣織の封筒の中身とは?:悲しい過去の告発文
嶌伊織の封筒の中身は「実兄の告発文」です。
嶌伊織には歌手の兄がいました。兄は不注意で交通事故を起こしたあと、薬物中毒で捕まりました。
人気者から一転し、兄は世間から嫌われていました。
そしてそのことで、嶌伊織自身も心に傷を負うことになりました。
この事実は、原作小説で明らかにされている内容です。
原作ミステリー小説『六人の嘘つきな大学生』について、「最後の二重丸の意味は?」「嶌は波多野が好きなのか?」――考察。(ネ…
犯人の正体と動機とは?
犯人は久我です。
動機は、久我が慕っている先輩を第二次予選で落としたことに対する、人事への復讐でした。
作品が伝えたいこと
「みんな素晴らしい人材だった」
「誰しも、表と裏の顔がある」
という意味だと思います。
最後にそれぞれが別の道で成功していたように、人事に選ばれなくても隠れた才能があります。
「自信を持って進め」という就活生へのエールが感じ取れます。
映画『六人の嘘つきな大学生』で投票誰が誰に入れた?【ネタバレ考察】
映画・原作では省略されている部分もあったので、参考程度に話の流れから予想してみました。
| 久我 | 袴田 | 波多野 | 嶌 | 森久保 | 矢代 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1回目の投票 | 2 袴田・嶌 | 2 森久保・矢代 | 1 久我 | 1 波多野 | 0 | 0 |
| 2回目の投票 | 3 嶌・袴田?・矢代? | 1 森久保? | 1 波多野 | 1 久我? | ||
| 3回目の投票 | 1 嶌 | 2 久我?・袴田? | 2 波多野・森久保 | 1 矢代 | ||
| 4回目の投票 | 1 嶌 | 2 久我?・矢代? | 2 波多野・森久保? | 1 袴田 | ||
| 5回目の投票 | 5 久我・袴田 嶌・矢代・森久保 | 1 波多野 | ||||
| 6回目の投票 | 1 嶌 | 5 久我・袴田・波多野・矢代 森久保 | ||||
| 計 | 8 | 2 | 11 | 12 | 1 | 2 |
映画と原作の違いはある?
実際に原作を読みましたが、大きな違いは感じられませんでした。
ただ、出身大学の細かい調整がされていて、矢代の「お茶の水女子大学」が映画では「明治大学」に変わった点が印象的です。
また、恋愛の描写に関しては原作のほうがボリュームがありました。
ラストの嶌がメンバーを集めるシーンは映画オリジナルで、テンポの良いドラマに仕上がっています。
『六人の嘘つきな大学生』を読んだ筆者のネタバレ感想
クレイジーなのに、リアル!
1度でも就活経験のある人達には刺さる作品なこと間違いなしです。
俳優さんたちが美形な点に関しても、“容姿の良さ”は面接の合否に多少は影響すると思うので、そういった点でもリアルでした。
波多野くんは可哀そうなラストでしたが、他のメンバーはそれぞれ良い人生を歩めましたので後味はいいです。
気になったのは、「採用人数の急な途中変更」という点です。
もしかしたら、あらかじめ計画されていたのではないでしょうか。
社員が「奇抜な採用方法をとってきたお陰で優秀な人材が……」と話していたので怪しいですよね。
最終選考中に白い封筒で、後ろ暗い過去のカミングアウトがなされていくなか、ディスカッションが中止にならないのは、面接官たちの好奇心は少しもなかったのでしょうか……。
採用側からすれば黒歴史がない人をとりたいと思うので、そういった切実な思いもあったかもしれません。が、やはり、面接官もしょせん人間ですからっ……。
映画、原作共に、涙なしでは観られない作品でした
- 気まずいシーン:なし。
- グロいシーン:なし。
まとめ:最後の封筒に隠された嶌衣織の過去とは
映画『六人の嘘つきな大学生』について考察・解説しました。
嶌伊織の封筒の中身には、彼女の過去――実兄に対する告発文が入れられていました。
「就活」は、多くの人が一度は通る道です。採用・不採用関係なく、誰しも人事の目が見えないところに光る才能があることを教えてくれます。
