今回は「最終兵器彼女」についてです。
「最終兵器彼女」は2000年1月から2001年10月まで「ビッグコミックス週刊スピリッツ」で連載発売された漫画です。作者は漫画家・高橋しんさんです。
永く愛される切ないラブストーリーです。
著者は、読後に作品の詳しい内容を覚えていないことも多いのですが、「最終兵器彼女」については衝撃的で、今でも胸に残っています。
ということで本記事では、
- 最終兵器彼女のラストについてネタバレ
- ちせのラスト(最終形態)について考察
- しゅうじは生きているのか死んだのか考察
についてまとめています。
気になっている方は、ぜひ最後までご覧くださいませ。
最終兵器彼女のラストは?漫画/アニメ/映画【ネタバレ】
「最終兵器彼女」は漫画家・高橋しんさんの作品です。
※原作は漫画です。
最終兵器彼女のラストは媒体(漫画・アニメ・映画)によってそれぞれ少しずつ違います。
1つずつご紹介していきたいと思います。
漫画版(原作)のラストは?
しゅうじ1人を覗き、人類は滅亡しました。
ちせはしゅうじを守るために、最終兵器として戦います。
~終戦後~
戦いのあと、ちせの最終形態である「宇宙船」がしゅうじの前に現れました。
しゅうじが宇宙船に入ると、ちせの意識(映像)と出会いました。
宇宙船は徐々に地球を離れていきます。しゅうじは不安で感傷的になっていましたが、普段と変わらないちせの様子に、涙を浮かべて笑います。
しゅうじの中にちせがいたことで、ちせは人の姿をとって現れました。
もう胸の傷も背中の羽もありません。普通の女の子です。
ちえはしゅうじの中に自分がいっぱいいたことで嬉しくて「ごめんね」と泣きます。しゅうじは、泣いているちえを抱きしめます。
その後、ふたりはジョークも交えてお話します。朗らかな雰囲気です。
「僕たちは恋していく、生きていく」
宇宙船が宇宙に出た映像で幕を閉じます。
地球や人類は滅亡してしまいましたが、ハッピーエンドの印象です。
アニメ版のラストは?
しゅうじ1人を覗き、人類は滅亡しました。
ちせはしゅうじを守るため、最終兵器として戦います。
~終戦後~
戦いのあと、ちせの最終形態である「宇宙船」がしゅうじの前に現れました。
しゅうじは宇宙船の残骸を抱きしめます。ちせは身体を失いましたが、しゅうじの中に残っているちせが大きかったことで、ちせは人と変わりない姿(制服姿)をとって現れることができました。
周囲には懐かしい展望台の景色も現れました。しゅうじの中にあるからです。
ちえはしゅうじの中に自分がいっぱいいたことで嬉しくて「ごめんね」と泣きます。しゅうじは、泣いているちえを抱きしめます。
「僕たちは恋していく、生きていく」
ふたりがキスするシルエットで幕を閉じます。
心もとなさはあるけれど、ハッピーエンドの印象です。
映画版のラストは?
原作とは異なり、人類は滅亡しません。
対戦国から、停戦の条件として「最終兵器ちせを抹消すること」と突きつけられます。
時間までに条件に応じない場合は、ちせに向かってミサイルを放つとのこと。
その場合、ちせが暴走してしまい人類を滅ぼしてしまうかもしれないとのこと。
残された時間をふたりで展望台で過ごした後、ちせは最終形態となり宇宙へ飛び出します。ミサイルの照準を安全な位置までもっていくためです。
~停戦後~
しゅうじが砂漠の中を歩いているなか、ちせを発見します。それは、宇宙から墜落してきて地に突き刺さった「宇宙船(最終兵器彼女)の残骸」でした。
人類は助かりましたが、サッドエンドの印象です。
ちせの最終兵器の最終形態は?
ちせの最終形態は「宇宙船」です。
ラストの最終形態は「ノアの箱舟」に由来するものと噂されています。
「ノアの箱舟」と引き合いに出されるのは、
- 地上波は戦争で荒れ放題で、救いようがない
- 最後に大洪水が起きる
- 人類はほぼ滅亡のなか、1人(しゅうじ)だけ、宇宙船にのって助かる
です。
確かに全体のストーリーとして似通っています。
最終兵器彼女のラストについての考察!
※「漫画(原作)・アニメのラスト」をベースに考察していきたいと思います。
ちせが最終形態で「宇宙船」となったのは何故か考察していきます。
- ちせに埋め込まれたものはAI(人工知能)に近い物体だった
- 最終形態「宇宙船」になることは既にプログラミングされていた
- ちせは、最終形態を経て神に近い存在となった
ちせに埋め込まれたものはAI(人工知能)に近い物体だった
ちせは戦争とは関係のないプログラムを組むこともできる
ちせは誰かを守るために戦い、自分の意思とは反して戦い方を学び、「最終兵器」として成長してきました。
ちせの肉体をむしばんでいた正体は、私たちにとっての「AI(人工知能)」ようなものではないでしょうか。
ちせは、兵器の人格でしゅうじと再会したときに、
「おまえ(しゅうじ)がここ(展望台)にきたら、ちせもここにくるようプログラミングされていた」
引用元:最終兵器彼女
と語っています。
戦争とは無関係のプログラムを組めることが分かります。ちせが自我を亡くす前に、プログラミングしていたことが分かります。
最終形態「宇宙船」になることは既にプログラミングされていた
ちせが「最終兵器」になって間もない頃、「最終兵器の試作品だった女性」から次のような言葉をかけられています。
「あなたが戦おうと戦うまいと、この戦争の結末はもう変わらないかもしれない」
「戦うことになったら、もう逃げてもかまわない。最後は好きな彼と一緒に過ごすの」
引用元:最終兵器彼女 Another love song
軍人たちから国のために戦うことばかり命じられていたちせが、初めて別の言葉をもらいました。ちせの琴線に触れたことで、知らず知らずのうち「地球の最期に向けたプログラム」を組んでいたのではないでしょうか?
ちせはラスト、自分の姿のことを「魂・意識」ではなく「映像」という言い方をしています。ちせはしゅうじの中に残っているちせのイメージ(情報)を使って、自分を映像化したのです。
ちせの身体はAIに奪われたものの、しゅうじのお陰で自我を失わずに済んだのかもしれません。
ちせは、最終形態を経て神に近い存在となった
「最終兵器彼女」について「ノアの箱舟」がベースになっているとすると、ちせは神に近い存在になったとも推測できます。
「あたしね この星がダメになっても… せめてシュウちゃんだけを守りたくって」
「こんな時になってもまだ…どーしてもあきらめらんなくて戦い続けたい人たちが…… たくさんいた……」
「あたしの最期のお仕事だった…」
引用元:週刊スピリッツ「最終兵器彼女7巻(最終巻)/高橋しん」より
これらのちせの発言は、ノアの箱舟ベースで例えると神の御業です。
ちせは誰にも事情を明かせず、家族には「不良娘」として突き放され、孤独でした。
ありもしない希望に縋り、戦いに明け暮れる軍人に呆れていました。
ちせが愛するしゅうじ(ノア)だけを生かしたのは、偶然でも奇跡でもなく、ちせの意思なのです。
ちせは人間を超越し、神に近い存在になったのかもしれません。
しゅうじがどうなったのか考察!生きてる?死んだ?
ネット上では「本当のところ、しゅうじは死んでいるのでは」という見解があります。
確かに「全人類の中でしゅうじだけ生きている」「しゅうじにだけちせが見える」という点は引っ掛かりますよね。
しかし安心してください。しゅうじは元気です。
詳しくは別の記事にて「最終兵器彼女の後日談」をまとめています。もしご興味のある方はぜひあわせてご覧くださいませ。
が、「ハッピーエンド」にしてくださったのには、高橋しん先生の優しさが表れている気がしました。
最終兵器彼女のラストや最終形態についてのまとめ
今回は「最終兵器彼女」についてまとめてみました。
- 最終兵器彼女のラストについてネタバレ
- ちせの最終形態について考察
- しゅうじは生きているのか死んだのか考察
について確認していきました。
著者は最終兵器彼女について久々に思い出したところ、気づいたらアニメ一気見していました。
「最終兵器彼女」は一度考え出したら、ずっと頭の中を巡ってしまう……そんな中毒性のある作品だと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。