映画『予告犯』についてです。
本作は2015年6月6日に公開された作品です。
監督は中村義洋さん、原作は漫画家の筒井哲也さんです。
世間からの評価が高い作品です。
悲しい映画で、最後について気になるところですよね。
ということで本記事では、
「最後は裏切り?」
「堀井のその後は?」
「ヒョロの死因は?」
について考察していきたいと思います。
『予告犯』についてご興味のある方は、ぜひ最後までご覧くださいませ。
以下、ネタバレを含みます。
【予告犯】あらすじ・ストーリー
犯罪者は、悪。警察は、正義。では、“シンブンシ”は?“彼ら”が繰り返した予告と制裁は、何のために、誰のために行われたのだろうか?事件は唐突に始まった。Tシャツ姿に新聞紙の頭巾を被り、ネット上に現れた“シンブンシ”と名乗る「彼」は、法では裁かれず、見過ごされがちな罪を犯した者たちを暴露。そして「彼」なりの制裁を加えていく。集団食中毒を起こした食品加工会社に対し、「食い物の扱いも知らないこいつらに、俺がきっちり火を通してやる」と予告。すると食品加工会社で火災が発生した。ネット犯罪を取り締まる、警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香は、この謎の予告犯=“シンブンシ”の捜査に乗り出す。捜査を続ける吉野はシンブンシが単独犯ではなく、複数犯であることに気付く。それでも「彼ら」は吉野をあざ笑うかのように、予告と制裁を繰り返していく。
映画『予告犯』
【予告犯】主な登場人物/キャスト
■ゲイツ/生田斗真
…主人公。元プログラマ。社員を目指して働いていたが、理不尽な扱いを受け派遣切りになる。予告犯“シンブンシ”の正体。
■カンサイ/鈴木亮平
…大阪出身の男性。かつてはバンドマンだった。職業相談所でゲイツと出会い、仕事を紹介する。
■ノビタ/濱田岳
…無口で奥手な男性。彼女を作るのが夢。ゲイツとは仕事場で知り合う。
■メタボ/荒川良々
…ふっくらとした男性。回らない寿司を食べるのが夢。ゲイツとは仕事場で知り合う。
■ヒョロ/福山康平
…フィリピン人の少年。ゲイツとは仕事場で知り合う。日本にいる父親に会うために、肝臓を売って来日した。不幸にも目的を達成する前に亡くなってしまう。
■吉野絵里香/戸田恵梨香
…警視庁サイバー犯罪対策課の班長。予告犯「シンブンシ」の事件を追いかける。
【予告犯】最後は裏切り?考察
最後は、裏切りではありません。
ゲイツが、ひとりで罪を被るために最後の日に向けて準備をしてきたのです。
経緯は、以下になります。
- ゲイツがノビタのスマホを奪う
- ゲイツがノビタのスマホで、ゲイツが3人(カンサイ・ノビタ・メタボ)を脅しているかのような動画を隠し撮りする。
- ゲイツがノビタの鞄にノビタのスマホを忍ばせる。
- ゲイツが他のメンバーの“カプセル(致死量の青酸カリ)”に細工をする。
- 「もし生き残ったら?」と聞かれて「全部死んだ人のせいにしろ」と言う。
- ノビタのスマホが警察に押収される。
集団自殺のあと、目を覚ました3人は隠し撮りされた映像を見せられたことで真実に気がつきました。
が、ゲイツの意志・死を無駄にするわけにいかないため、動揺を隠し、約束通り「全部死んだ人のせいにした」のです。
ゲイツがいつからこの計画を企てていたのかは定かでありませんが、
少なくともノビタが警察に通報しようとしていたところを目撃した時点では、考え始めていたのではないでしょうか。
3人はゲイツがひとりで罪を被るつもりだということは知らなかったので、
そういう意味では「裏切り」といえますね。
一度は死ぬつもりで、そのあと目を覚ますのはどんな感覚なんだろう。。
【予告犯】悲しいラスト?
悲しいラストではありますが、ゲイツからすれば本望だったのだと思います。
ゲイツは、友達だと思っていた社員たちに裏切られました。深く傷を負っていたゲイツの夢は「友達が欲しい」でした。
カンサイの夢は「音楽」、ノビタの夢は「彼女が欲しい」、メタボの夢は 「回ってない寿司屋でたらふく食べたい」です。
その中で唯一、ゲイツの「友達が欲しい」という夢だけ叶っていました。
元々ゲイツが“シンブンシ”として世間を騒がせたのも、ヒョロの「父親に会いたい」という夢を叶えるためでした。
班長・吉野絵里香にとっては「それだけ?」のことでも、ゲイツにとっては死と引き換えにしても成し遂げる価値のあることでした。
ゲイツは死亡しましたが、友達4人の夢を守れたことは、彼にとって最善のラストだったように思います。
【予告犯】堀井のその後は?考察
堀井のその後については触れられていません。
因みに漫画版の堀井は、実在する「堀江貴文さん」をモデルとされています。
これに対し、堀江貴文さんはX(旧:Twitter)で以下のツイートしています。
予告犯って漫画で俺に似た奴が冷酷に派遣切りするシーンがあるけど、実際の俺は派遣は受付嬢以外雇った事ないし、違法行為犯した以外で社員のクビを切った事もないのになんで、そんなイメージになるんだろう。不思議だ。
— 堀江貴文(Takafumi Horie、ホリエモン) (@takapon_jp) April 24, 2013
オファーはなく、使用許可は出していないとのこと。
プラスイメージでモデルにするならまだ良かったのですが、堀江貴文さんは有名な経営者なので、イメージはとても大切なのです。
これらのことから、公式から堀井のその後について語られる可能性は低そうですね。
そもそも使用許可がおりていなかったからです。
個人的に、その後、堀井の態度はマシになったのではないかと推測します。
下手したら、自分が“シンブンシ”の標的になっていたかもしれないからです。
もしその後も派遣社員を虐めていたとしたら、堀井はサイコパスといえそうです。
普段、人が良いひとほど怒らせたら怖いってこと分かってない…!
【予告犯】ヒョロの死因は?考察
ヒョロの死因は腎不全です。
「身体が痒い」という症状や、最期にヒョロが腎臓を売ったことを打ち明けていることから、腎不全を患わっていた”と考察できます。
フィリピンは臓器売買が合法です。肝臓を売る理由は、お金を作るためです。
教養のない人々にとって、生きていくための最後の手段だといいます。
ヒョロもそのうちの1人でした。
【予告犯】ネタバレ感想レビュー
ノビタの彼女が気になる!
ノビタとカフェ店員のその後については言及されていませんでしたね、気になります。
生前に、ビニール傘を肌身離さずにいるノビタに対し、ゲイツが「大切にしろよ」と言っていますね。これは「ノビタの彼女」に対する言葉のように思えます。
カフェ店員に傘を返しに行ったことは想像がつきます。
現実的に考えると、その後彼女と結ばれるとしたらうまくいきすぎのように思います。
ただ、死ぬまでには彼女を作るだろうという気がします。
何故なら「彼女をつくることが夢」だからです。まだ若いですし、本気をだして、一度もできない方が逆に難しいのではないのでしょうか?
やっぱり悲しい!
映画『予告犯』は、ビターエンドの類に入るのでしょうか?
なんだかんだ、やはり悲しい映画です。
予告犯“シンブンシ”に手を貸したネカフェ店員のように、私もいつしかゲイツを応援していたのだと思います。
その彼が亡くなってしまったのだから当然悲しいです。
派遣社員で社員目指したはりきっていた好青年のシーンは観ているのが辛かったです。
最初はひどい予告犯なのかと思ったら、その背景が伺えるにつれ、印象が180度変わるのが面白いと思いました。
映画『予告犯』の関連ワードが「悲しい」になるほど国民の共感を誘うというのは、本作が大成功したということですね。
ゲイツの魂も浮かばれたことでしょう。
【予告犯】最後は裏切り?堀井のその後/ヒョロの死因について考察まとめ
今回は映画『予告犯』について考察してみました。
- 最後は裏切り?…最後は裏切りではない。元からゲイツが罪を一人で被るつもりで動いていた。
- 堀井のその後は?…明確にされていない。
- ヒョロの死因は?…腎不全によって死亡した。
という結果となりました。
他の媒体で、生田斗真さんがイキイキしているところをみると安心しますね(笑)。
演技力のある俳優さんだと思います。
ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。